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ノルウェー出張・入国ガイド|ビザ要件から最新の渡航手続きまで完全解説

投稿日:2024.09.30 / 最終更新日:2026.02.02

ノルウェー出張の概要

北欧の経済大国であるノルウェーは、エネルギー(石油・ガス)、海事、再生可能エネルギー、ITなどの分野で日本企業との関わりが深く、ビジネス渡航の需要が高い国です。

ノルウェーはEU非加盟国ですが、シェンゲン協定に加盟しているため、他の欧州諸国を経由して入国する際のルールなど、独自の注意点があります。まずは、渡航の足がかりとなる主要都市と、スムーズな入国に欠かせない基本要件を確認しましょう。

ビジネス渡航で想定される主な都市・空港

ノルウェーへの出張で主に拠点となるのは、以下の3都市です。日本からの直行便はないため、通常はコペンハーゲン、ヘルシンキ、フランクフルトなどの欧州主要都市を経由して入るのが一般的です。

都市名特徴主要空港
オスロ (Oslo)ノルウェーの首都。金融、IT、政府機関が集まる最大の経済拠点。オスロ空港 (OSL)
ベルゲン (Bergen)国内第2の都市。海事産業や海洋エネルギーの研究・ビジネスが盛ん。ベルゲン空港 (BGO)
スタヴァンゲル (Stavanger)「エネルギーの都」。石油・ガス関連企業の本拠地が多く集まる。スタヴァンゲル空港 (SVG)

出張者が事前に押さえるべきポイント

ノルウェー入国に際して、管理者は以下の「3つの必須要件」が満たされているか、出張者ごとに必ず確認してください。

ビザ(査証)の要否

  • 90日以内の短期商談/会議

 日本国籍保持者の場合、90日以内の観光・ビジネス目的の滞在であれば、ビザは不要です。

  • 長期滞在・報酬を伴う就労

 90日を超える滞在や、現地で報酬を得る実務を伴う場合は、別途「居住許可(就労許可)」の取得が必要になります。

パスポートの有効期限(重要)

  • ノルウェーを含むシェンゲン協定加盟国への入国には、出国予定日から3ヶ月以上の有効期間が残っているパスポートが必要です。
  • 有効期限が迫っている場合は、渡航前に更新手続きを行うよう指導してください。

旅券の未使用ページ

入国審査時のスタンプ押印のため、見開き2ページ程度の余白があることが望ましいです。

管理者へのアドバイス

ノルウェーはキャッシュレス化が極端に進んでおり、公共交通機関から屋台まで現金が使えないケースが多々あります。ビザ等の公的書類と併せて、「海外利用可能な法人カード」または「タッチ決済対応のクレジットカード」の持参を出張者に周知徹底してください。

日本人出張者のビザ要件

ノルウェーへのビジネス渡航において、多くの日本人はビザなしで入国が可能ですが、滞在期間や活動内容によっては事前の手続きが必要です。管理者は、出張者の業務内容が「短期滞在」の枠に収まるかを事前に精査する必要があります。

短期商用(30日以内)のビザ要否と条件

結論から述べますと、30日以内の短期商用であれば、日本国籍者はビザを取得する必要はありません。 ただし、以下の条件とルールを厳守する必要があります。

ビザ免除の条件

  • 報酬を伴わない業務(商談、会議出席、市場調査、契約調印など)であること。
  • パスポートの有効期限が「シェンゲン協定加盟国からの出国予定日から3ヶ月以上」残っていること。

【重要】滞在可能日数の数え方

  • ノルウェー単独ではなく、シェンゲン協定加盟国全体での滞在が「あらゆる180日間の期間内で合計90日以内」であればビザなしで滞在可能です。
  • つまり、直近6ヶ月以内に他の欧州諸国(ドイツ、フランス、北欧他国など)に出張していた場合、その日数もカウントに含まれます。「今回のノルウェー滞在が30日以内だから大丈夫」と過信せず、過去の渡航履歴を含めた計算が必要です。

30日超・就業目的・駐在の場合に必要なビザの種類の概要

30日を超える滞在、または現地で実務作業を行ったり報酬を得たりする場合は、ビザ(居住許可/Residence Permit)が必要になります。主なカテゴリーは以下の通りです。

ビザの種類(居住許可)対象となる主なケース
熟練労働者 (Skilled Workers)高度な専門知識や技術を持つエンジニア、マネージャーなどが現地法人に雇用される場合や、長期プロジェクトに従事する場合。
企業内転勤 (ICT)日本の親会社からノルウェーの支店やグループ会社へ、管理職や専門家として期間限定で派遣される場合(駐在員)。
短期技術者 (Service Providers)機械の設置、保守、修理などのために、日本の会社から短期間(通常90日以内でも、実務を伴う場合)派遣される場合に検討される枠組み。

※90日を超える長期滞在の場合は、入国後に現地警察署での登録手続きが必要になります。

【重要】2025年以降の「ETIAS(エティアス)」導入について

今後、ビザ免除対象者であっても、欧州への入国前にオンラインでの渡航認証制度「ETIAS(エティアス)」の申請が必要になります。

概要

米国のESTA(エスタ)に近い制度で、事前に個人情報や渡航目的を登録します。

有効期間

 一度取得すれば3年間(またはパスポートの有効期限まで)有効です。

管理者の対応

導入時期(2025年以降順次)に合わせて、出張者が申請済みであるかを確認するフローを構築してください。

チェックポイント

 審査官から渡航目的を問われた際にスムーズに回答できるよう、「英文の出張証明書」や「帰国便の航空券(Eチケット)」を出張者に持たせておくことを強く推奨します。

ETIAS(エティアス)はいつから必要?2026年導入予定の最新情報解説

渡航前チェックリスト(企業・出張者向け)

次は、渡航準備の抜け漏れを防ぐための「渡航前チェックリスト」です。

企業(管理者)側で用意すべき公的書類と、出張者個人が準備すべき実務的なアイテムを整理しました。特にノルウェーは世界トップクラスのキャッシュレス社会であるため、決済手段の準備は必須項目となります。

渡航前チェックリスト(企業・出張者向け)

ノルウェー入国審査は、他国に比べると比較的スムーズですが、ビジネス目的の場合は「何の目的で、誰が費用を負担して滞在するのか」を明確にする書類が求められることがあります。

企業(管理者)側で準備・確認すべきこと

法務・総務担当者は、出張者が現地でトラブルに遭わないよう、以下のバックアップを行ってください。

  • 英文の出張証明書(派遣状): 渡航者の役職、目的、滞在期間、滞在中の費用を会社が負担する旨を記載したレター。
  • 現地企業からの招待状(コピー可): 商談先や訪問先の企業名、担当者連絡先が記載されたもの。
  • 海外旅行保険の加入: シェンゲン協定諸国では、十分な補償額(3万ユーロ以上が目安)の保険加入が推奨されています。付帯の英文証明書も発行しておきましょう。
  • ETIASの確認(2025年以降順次): 制度導入後は、申請完了の確認が必須となります。

出張者個人が準備すべきこと(必需品)

ノルウェーの物価は非常に高いため、現地調達よりも日本からの持参が推奨されるものが多いです。

クレジットカード2枚以上(タッチ決済対応必須)

  • ノルウェーは完全キャッシュレス社会です。現金が一切使えない店舗も多いため、VisaまたはMastercardを複数枚用意してください。

Cタイプの電源変換プラグ

  • ノルウェーのコンセントは「丸型2ピン」のCタイプです。

モバイルバッテリー

  • 気温が低い地域ではスマートフォンの電池消耗が早まるため、必須です。

雨具(折りたたみ傘・レインコート)

  • オスロやベルゲンは天気が変わりやすく、風も強いため、丈夫な雨具が重宝します。

常備薬

  • 現地の薬は成分が強く、説明もノルウェー語が主であるため、日本から使い慣れたものを持参してください。
ノルウェー入国手続きの流れ(到着空港での動き方)

ノルウェー入国手続きの流れ(到着空港での動き方)

日本からノルウェーへ渡航する場合、多くはフランクフルト(ドイツ)やヘルシンキ(フィンランド)などの主要都市で乗り継ぎを行います。この「乗り継ぎ地」がどこかによって、入国審査の場所が変わる点に注意してください。

1. 入国審査(パスポートコントロール)

  • 経由地(ドイツ、フィンランド等)で入国する場合: ノルウェーもシェンゲン協定加盟国であるため、最初の到着地(欧州域内)で入国審査を受けます。この場合、ノルウェー到着時の入国審査はありません。
  • ノルウェーで直接入国する場合: 非シェンゲン圏からのフライトで直接オスロ空港に到着した場合は、ここでパスポートを提示します。

【審査時に聞かれる主な質問】

  • 渡航の目的(Business / Meeting)
  • 滞在期間(How long?)
  • 滞在先(Hotel name?)
  • 帰国の航空券の有無

2. 手荷物の受け取り(Baggage Claim)

モニターで自分の便名を確認し、預け入れ荷物をピックアップします。 ※オスロ空港は非常に効率的な設計になっており、カートもスムーズに利用できます。

3. 税関検査(Customs)

特に申告するものがない場合は、緑色のゲート(Nothing to Declare)を進みます。ノルウェーは酒類やタバコの持ち込み制限が非常に厳しいため、お土産等で持参する場合は事前に規定量を確認しておきましょう。

4. 到着ロビーへ

ゲートを出ると、目の前に鉄道(Flytoget)の券売機やカフェ、タクシー乗り場への案内が表示されています。

【出張者へのアドバイス】免税店での購入について

ノルウェーでは国内の酒税が非常に高いため、現地の人は到着後に空港内の免税店でお酒を購入することが一般的です。ビジネスパートナーへの手土産や、自分用の飲み物を安く手に入れたい場合は、入国審査後の手荷物受取エリアにある免税店を利用するのが最も効率的です。

空港から市内までの移動手段

オスロ空港(ガーデモエン)からオスロ市内中心部までは約50km離れていますが、公共交通機関が非常に発達しています。

【スピード重視】エアポート・エクスプレス(Flytoget)

ビジネス出張者に最も利用されているのが、空港特急「Flytoget(フライトーグ)」です。

  • 所要時間: オスロ中央駅まで約19分
  • 運行間隔: 10〜20分おき
  • 料金: 大人片道 240NOK前後(約3,400円)
  • 特徴: 非常に清潔でWi-Fiも完備されており、車内でメールチェックが可能です。チケットは駅の券売機、または専用アプリで購入できますが、クレジットカードを改札のリーダーにかざすだけの「Touch & Go」が最もスムーズです。

【コスト重視】国鉄(Vy)

通勤・通学にも使われる一般的な急行列車です。

  • 所要時間: オスロ中央駅まで約23分
  • 運行間隔: 1時間に2〜3本程度
  • 料金: 大人片道 124NOK前後(約1,700円)
  • 特徴: Flytogetと所要時間は数分しか変わりませんが、料金は約半分です。時間に余裕がある場合や、コストを抑えたい場合に最適です。

【宿泊先への直行】エアポートバス(Flybussen)

市内の主要ホテルや、中央駅以外のエリアへ直接向かいたい場合に便利です。

  • 所要時間: 目的地により40〜60分
  • 料金: 大人片道 200〜250NOK前後(約2,800〜3,500円)
  • 特徴: 荷物が多い場合や、駅から離れたホテルに宿泊する場合に重宝します。

タクシー(Taxi)

  • 所要時間: 約40分
  • 料金: 800〜1,200NOK前後(約11,000〜17,000円)
  • 注意点: ノルウェーのタクシーは非常に高額です。利用する場合は、到着ロビーにある「Taxi Information」の端末で固定料金(Fixed Price)のタクシーを予約することをお勧めします。流しのタクシーは予期せぬ高額請求になるリスクがあるため、避けるのが無難です。

管理者へのポイント

多くの出張者は「Flytoget」を利用しますが、経費精算のルール上、安価な「Vy(国鉄)」の利用を推奨する企業もあります。あらかじめ社内規定に沿った移動手段を指定しておくと、帰国後の精算がスムーズです。

滞在中の注意点(ビジネス慣行・ルール)

​ノルウェーのビジネススタイルは「効率性」「平等」「誠実さ」がキーワードです。日本とは異なる独特のマナーを理解しておきましょう。

ワークライフバランスとアポイントの時間

ノルウェー人は家族との時間を極めて大切にします。

  • 早めの終業: 多くのオフィスワーカーは16:00〜16:30には退社します。夕方以降のアポイントや、急な残業を伴う依頼は避けるのがマナーです。
  • 金曜日の午後: 金曜日はさらに早めに切り上げる人が多いため、重要な会議は週の前半から半ばに設定するのが理想的です。

徹底した「時間厳守」

日本以上に時間に厳しい側面があります。

  • 会議の開始時刻はもちろん、終了時刻も厳守されます。時間内に結論を出すための準備(アジェンダの事前共有など)が強く求められます。
  • 5分の遅刻でも「信頼に欠ける」と見なされることがあるため、移動時間は余裕を持って見積もりましょう。

フラットなコミュニケーション

ノルウェーの組織は非常に階層が浅く、民主的です。

  • 意思決定の速さ: その場にいる担当者に大きな裁量権が与えられていることが多いです。
  • 率直な物言い: 遠回しな表現(京都的な表現や曖昧なイエス/ノー)は誤解を招きます。意見がある場合は、役職に関わらず論理的かつストレートに伝えることが尊重されます。

チップの習慣と服装

  • チップ: 基本的に不要です。レストランで非常に良いサービスを受けた場合に5〜10%程度加算する人はいますが、義務ではありません。
  • 服装: ITやエネルギー業界では「スマートカジュアル」が一般的です。ただし、初対面の商談や政府機関への訪問では、ダークスーツを着用するのが無難です。

飲酒に関する厳しいルール

  • アルコール販売: スーパーでのビール販売は平日は20時まで、土曜は18時まで、日曜は不可など厳格に制限されています。ワインやウイスキーは「Vinmonopolet」という国営の専門店でしか買えません。
  • 飲酒運転: 罰則が極めて厳しく、少量の摂取も許されません。ビジネスディナーでの飲酒には十分注意してください。

出国時の手続きとオーバーステイ対策

ノルウェーからの出国は、入国時と同様にスムーズですが、欧州域内を頻繁に移動する出張者の場合は「滞在日数の管理」が非常に重要です。

1. 出国手続きの流れ

  • 直行便(経由地なし)の場合: オスロ空港等で出国審査を受けます。
  • 欧州(シェンゲン圏)経由の場合: ノルウェー出発時には審査がなく、最後にシェンゲン圏を出る空港(フランクフルトやヘルシンキなど)で出国審査を受けます。

2. 免税手続き(Tax Free)

ノルウェーは付加価値税(VAT)が高いため、ビジネスの合間に購入したお土産などの免税還付は大きなメリットです。

  • 対象: 1店舗につき315NOK(約4,500円)以上の購入。
  • 方法: 空港の「Global Blue」カウンター等で、未使用の商品と書類、パスポートを提示してスタンプをもらい、払い戻しを受けます。
  • 注意点: 預け入れ荷物に免税品を入れる場合は、チェックイン前に税関カウンターへ行く必要があります。

オーバーステイ対策

シェンゲン協定「90日ルール」

ビザなし渡航の場合、「あらゆる180日間の期間内で合計90日」という滞在制限があります。

  • リスク: 1日でも超過すると、今後の欧州入国が拒否されたり、多額の罰金が科せられたりする恐れがあります。
  • 管理者の対策: 出張者が過去半年間に他国(フランス、ドイツ、北欧他国など)へ滞在していた日数を正確に把握してください。EU公式サイトの「シェンゲン・計算機」などを利用して、残日数を算出することをお勧めします。

参考リンク・公式情報

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