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【2025年版】スイス出張ガイド|入国手続き・ビザ免除の条件・滞在の注意点を解説​

投稿日:2024.03.04 / 最終更新日:2026.02.02

今回は、スイス出張における出入国とビザや現地情報について紹介します。なお、規定や手続きは変更となる場合がありますので、最新情報は下記のリンク等にて確認しましょう。(※2025年12月現在の状況です。)

スイス出張の概要

スイスは、精密機器、金融、医薬品、国際機関など、多様なビジネスが集積する欧州の重要拠点です。日本から出張する際は、高い物価や公共交通機関の正確さなど、スイス特有のビジネス環境や慣習を理解しておくことが、スムーズな商談や業務遂行の鍵となります。

まずは、スイス出張の拠点となる主要都市と、渡航前に必ず確認すべき基本要件について整理しましょう。

ビジネス渡航で想定される主な都市・空港

スイス出張では、目的とする産業や機関によって、訪れる都市が明確に分かれるのが特徴です。

主な拠点は下記の通りです。

チューリッヒ(Zurich)

  • 特徴: スイス最大の都市であり、世界屈指の金融センター。多くのグローバル企業が本社を構えます。
  • 拠点空港: チューリッヒ空港(ZRH)。日本(成田)からの直行便が就航しており、スイスのメインゲートとなっています。

ジュネーブ(Geneva)

  • 特徴: 国連欧州本部やWHOなど、多くの国際機関が集まる「平和の首都」。時計産業やプライベートバンクの拠点でもあります。
  • 拠点空港: ジュネーブ空港(GVA)。市内中心部まで列車で約7分と、非常にアクセスの良い空港です。

バーゼル(Basel)

  • 特徴: フランス、ドイツと国境を接する製薬・化学産業のハブ。ノバルティスやロシュといった世界的大手企業の本拠地として知られています。
  • アクセス: ユーロエアポート(BSL)を利用するか、チューリッヒから列車(約1時間)で移動するのが一般的です。

出張者が事前に押さえるべきポイント(ビザ、パスポート、有効期限など)

スイスはEU非加盟国ですが、シェンゲン協定に加盟しているため、同協定のルールに基づいた準備が必要です。

項目内容・条件
ビザ(査証)90日以内の短期商用目的であれば、日本国籍者は原則としてビザ不要です。ただし、現地での就労(労務の提供に該当する)が含まれる場合は、期間に関わらず就労許可が必要になるケースがあるため注意が必要です。
パスポート有効期限スイス(シェンゲン協定加盟国)からの出国予定日から3ヶ月以上の残存期間が必要。
旅券の未使用ページ入国スタンプを押印するため、見開き2ページ程度の余白があることが望ましい。
滞在可能期間「あらゆる180日の期間内で最大90日間」というルールが適用されます。他のシェンゲン協定加盟国を周遊する場合は、合計滞在日数に注意してください。

【2025年以降の最新動向:ETIASについて】 

欧州への渡航に事前承認が必要となる「ETIAS(エティアス)」の導入は、現時点で2026年以降に延期される見込みです。現時点では、引き続き事前の電子申請なしで渡航可能ですが、開始時期は変更される可能性もあるため最新の公式情報を確認するようにしてください。

日本人出張者のビザ要件

スイスへのビジネス渡航では、滞在日数および現地で行う活動内容(就労に該当するかどうか)によって、必要な手続きが大きく異なります。スイスは就労に関する判断が非常に厳格な国であり、報酬の有無にかかわらず「労務の提供」に該当するかどうかが重要な判断基準となります。

短期商用(90日以内)のビザ要否と条件(ビザ免除・滞在許可日数)

ビザの要否

日本国籍を有し、一般的なビジネス活動を目的とする場合、「あらゆる180日間の期間内で合計90日以内」の滞在であれば、原則としてビザ(査証)の取得は免除されます。

滞在可能日数

滞在は、「過去180日間の期間内で最大90日まで」という、いわゆる90/180ルールが適用されます。この日数には、スイスだけでなく、他のシェンゲン協定加盟国での滞在日数もすべて合算されます。90日以内の出張であっても、直近で他のシェンゲン国に渡航していた場合は、正確な残存日数を確認する必要があります。

原則として認められる活動例は、下記の通りです。

  • 会議、商談
  • 契約締結・調印
  • 市場調査
  • 研修・社内ミーティング
  • 展示会・見本市・学会への参加

注意点(重要)

修理、設置作業、技術指導、アフターサービス等の活動は、内容・期間・関与の度合いによって就労と判断される場合があります。この場合、滞在日数が90日以内であっても、事前に就労許可等が必要となることがあります。

ETIASについて

欧州渡航情報認証制度(ETIAS)は、当初の予定から導入時期が延期されており、2025年現在は未開始です。そのため、現時点では渡航前のオンライン認証申請は不要ですが、導入時期は今後変更される可能性があります。

なお、入国に際しては必ずパスポート残存期間が出国予定日から3か月以上あることを確認してください。

ETIAS(エティアス)はいつから必要?2026年導入予定の最新情報解説

90日超・就業目的・駐在の場合に必要なビザの種類の概要

90日を超える滞在や、スイス現地での直接的な就労を伴う場合は、タイプDビザ(長期滞在査証)の取得に加え、現地での滞在許可(Permit)が必要となります。

主な滞在許可の種類

L許可証(短期滞在許可): 1年未満の期間限定の雇用・プロジェクトに従事する場合。

B許可証(滞在許可): 1年以上の雇用契約に基づく駐在員などに発行される、一般的な居住許可。

※就労を目的とする場合、タイプDビザの取得と、L許可またはB許可の付与がセットで必要となるのが一般的です。

これらの手続きには、日本国内のスイス大使館での申請に加え、スイス側の受入企業が各州当局へ申請を行うプロセスが含まれます。取得までに少なくとも2〜3か月、場合によってはそれ以上の準備期間を見込むことが推奨されます。

ビザ情報を確認すべき公式窓口

ビザ要件や入国・就労規制は、政治情勢や新制度(EES/ETIAS等)の導入により、予告なく変更される場合があります。必ず最新情報を以下の公式窓口で確認してください。

駐日スイス大使館(Embassy of Switzerland in Japan)

ビザ申請の管轄および最新の公式情報を確認できます。

スイス連邦移民局(SEM:State Secretariat for Migration)

滞在許可・就労定義に関する詳細な規定が掲載されています。

外務省 海外安全ホームページ

入国条件、治安情報、注意喚起などの基本情報を確認できます。

渡航前チェックリスト(企業・出張者向け)

【管理者向け】リスク管理・手配のチェックポイント

  • 出張規定(旅費規定)の確認: スイスは世界でもトップクラスに物価が高い国です。都市部ではランチ代が3,000〜4,000円程度になることも珍しくないため、日当額が現状に即しているか確認しましょう。
  • 緊急連絡網の整備: 渡航者の連絡先、現地滞在先、フライト情報を一元管理しておきます。

【出張者向け】持ち物・事前設定チェックリスト

  • Wi-Fi・通信手段の確保: 現地での地図確認や連絡に不可欠です。eSIMの契約や海外用Wi-Fiルーターのレンタルを済ませておきましょう。
  • クレジットカード(ICチップ付): スイスはキャッシュレス化が進んでいますが、暗証番号(PINコード)を忘れると決済できない端末が多いです。
  • 変換プラグ(Cタイプ・Jタイプ): スイスは一般的な欧州のCタイプに加え、独自形状のJタイプが存在します。マルチプラグを用意すると安心です。
  • オフライン地図のダウンロード: 電波が不安定な場所に備え、Googleマップ等のオフライン機能を活用しましょう。

スイス入国手続きの流れ(到着空港での動き方)

スイスへは 入国審査→預け荷物受け取り→税関申告 の流れで入国となります。

スイスはシェンゲン協定加盟国のため、他のシェンゲン協定加盟国を経由して入国する場合、入国審査および税関検査は最初に到着したシェンゲン圏内の空港で行われます。スイス出国時には出国審査のみが行われます。

到着

飛行機を降りたら、「Arrival(到着)」の案内表示に従って、「Immigration(入国審査)」へ。

入国審査

EU/シェンゲン協定非加盟国からの旅行者用カウンターに並び、審査官にパスポートを提示して審査を受けます。

荷物の受け取り

日本出発の際に手荷物を預けた人は、自分が乗ってきた飛行機の便名が表示されたターンテーブルで受け取ります。

税関

免税範囲内の人は「NOTHING TO DECLARE」と書かれたゲートへ進み、申告するものがある人は「GOODS TO DECLARE」と書かれたゲートへ進み、審査を受けます。

空港から市内までの移動手段

チューリッヒ空港から市街地までの移動方法について

チューリッヒ空港は、スイス最大規模の国際空港で、多数の長距離路線が運航されています。チューリッヒの中心から北におよそ13キロメートルの位置にあります。アクセスの詳細は以下をご覧ください。

公式|Zurich Airport

スイス連邦鉄道(SBB)

空港からチューリッヒ中央駅までの所要時間は約12分、料金は約6.8フランです。

※運賃はゾーン制のため、利用区間や改定により変動する場合があります。

トラム 

空港から市内中心部までの所要時間は約47分、料金は約6.8フランです。

※時間帯や行先により所要時間が前後する場合があります。 

タクシー 

空港から市内中心部までの所要時間は約20分、料金は目安として約60〜70フランです。

※渋滞状況や目的地により料金は変動します。

ジュネーヴ空港から市街地までの移動方法について

ジュネーヴ空港は、スイス・ジュネーヴ市中心部から北西へ約4kmの場所に位置する国際空港です。市内へのアクセスも非常に良く、短時間で移動できます。

アクセスの詳細は以下をご確認ください。

公式|Geneva Airport

スイス連邦鉄道(SBB)

ジュネーヴ空港は市街地の北西約4kmに位置しており、空港から市内中心部にあるGare Cornavin(コルナヴァン駅)までは、電車で約7分です。

空港から出発する列車はいずれも同駅に停車するため、乗り換えなしで移動できます。

※運賃は改定や利用区間により変動する場合があります。

バス

主に5番・10番のバスがジュネーヴ市内へ運行しており、市内中心部までの所要時間は約8〜15分です。

なお、ジュネーヴ市内のホテル、ユースホステル、またはキャンプ場に宿泊する旅行者は、施設から「ジュネーヴ交通カード」を受け取ることができ、ゾーン10内の公共交通機関を無料で利用できます。

※交通カードはチェックイン後に受け取るのが一般的なため、到着直後の移動では利用できない場合があります。

ジュネーヴ交通カード

タクシー

ジュネーヴ空港のタクシー乗り場は到着ロビーを出てすぐの場所にあります。

空港から市内中心部までの所要時間は約20〜30分、料金は目安として約50フランです。

※交通状況や目的地により変動します。

滞在中の注意点(ビジネス慣行・ルール)

スイスでのビジネスを成功させるには、高度なプロ意識と「スイス流」の礼儀への理解が欠かせません。特に以下の3点は、日本人出張者が見落としやすいポイントです。

時間厳守は非常に重視される

スイス人は時間の正確さに非常にシビアです。

  • 5分前行動が基本

スイスは鉄道が1分単位で正確に運行される国です。会議にわずかでも遅れると、相手の時間を尊重していないと受け取られ、信頼関係に影響する可能性があります。

  • アポイントは余裕を持って

突然の訪問や、直前のアポイント依頼は失礼にあたります。一般的には、少なくとも数週間前には予定を確定させておくことが望ましいとされています。

コミュニケーションとドレスコード

  • 挨拶とアイコンタクト:挨拶時には、相手の目を見てしっかりとした握手を交わします。また、ドイツ語圏・フランス語圏ともに、ビジネスシーンではファーストネームではなく「姓(Mr. / Ms. + 名字)」で呼ぶのが基本です。
  • 控えめでフォーマルな服装: 基本はダークスーツにネクタイが無難ですが、業界や企業文化によってはややカジュアルな場合もあります。
  • 直接的な表現: 日本のような「含み」を持たせた表現よりも、YES/NOを明確にし、論理的に話すことが好まれます。

日常生活・会食のルール

  • 日曜日は原則として休業日:スイスでは日曜日にほとんどのショップやスーパーが閉店します(駅や空港を除く)。また、夜間や日曜日に大きな音を立てることは法律や地域ルールで禁じられていることが多いため、滞在先での行動には注意が必要です。
  • チップの考え方:レストランの料金にはサービス料が含まれているため、原則としてチップは不要です。ただし、端数を切り上げたり、良いサービスを受けた際に代金の5〜10%程度(あるいは数フラン)を渡すと丁寧な印象を与えます。
  • ランチミーティング:スイスのビジネスランチは、単なる食事ではなく「人間関係を築く場」です。仕事の話だけでなく、スイスの自然や文化についての会話ができるよう準備しておくと、心の距離が縮まります。

出国時の手続きとオーバーステイ対策

スイス(シェンゲン協定域)からの出国は、入国時と同様に厳格に管理されます。近年は、EUが導入を進めている新システム「EES」の影響により、滞在日数の管理がより厳格化されつつあります。これにより、滞在日数の計算ミスや申告漏れは、従来よりも把握されやすい状況となっています。

出国手続きの流れ

スイスから日本へ帰国する場合、またはシェンゲン圏外(イギリス、トルコ、アジア諸国など)へ向かう場合は、以下の手順で出国審査が行われます。

空港への到着

チューリッヒ、ジュネーブなどの主要空港では、混雑や出国審査の強化に備え、出発時刻の3時間前までに空港へ到着することが推奨されます。

EES(出入域システム)による記録 

EESは、顔認証や指紋情報を用いて入出国をデジタルで管理する仕組みです。現在、EU域内で段階的に導入が進められており、出国時にはキオスク端末や審査官による確認を通じて、滞在日数が記録・管理される仕組みとなっています。

税関手続き(免税払い戻し)

スイス国内で高額な買い物を行い、免税(VAT還付)を希望する場合は、原則として出国審査前に税関窓口で輸出証明の手続きを行います。なお、手続きの流れは空港や還付方法(電子還付など)により異なる場合があるため、当日の空港案内に従ってください。

オーバーステイを防ぐ「90日ルール」の注意点

日本国籍者がビザなしでスイスに滞在できるのは、「過去180日間の期間内で合計90日まで」です。この期間を1日でも超過した場合、オーバーステイと判断され、罰金、強制退去、将来の欧州渡航制限などの措置が取られる可能性があります。

「ローリング・ウィンドウ」方式に注意

「180日間の期間」は固定されていません。出国日から遡って過去180日間を計算対象とする方式が採用されているため、短期間に複数回出張を行う場合は特に注意が必要です。

  • 計算に含まれるもの: スイス以外のシェンゲン協定国(ドイツ、フランス、イタリアなど)での滞在日数もすべて合算されます。
  • 計算に含まれないもの: イギリス、アイルランド、キプロスなどはシェンゲン圏外のため、合算されません。

EESの導入による厳格化

EESの導入が進むことで、入出国日や滞在日数は従来よりも正確に管理される方向にあります。自己管理による日数計算の誤りが発覚しやすくなるため、出張者・企業双方において、事前の確認と管理がより重要となっています。

管理者ができるオーバーステイ対策

企業の出張管理者は、以下の対策を講じることを推奨します。

  • シェンゲン計算機(Schengen Calculator)の活用: 欧州委員会が提供する公式ツールなどを利用し、次回出張で滞在可能な日数を事前に確認しておく。
  • 渡航履歴の一元管理: 出張者個人の判断に任せず、企業として過去180日以内のシェンゲン圏滞在履歴を把握・管理する体制を整える。

参考リンク・公式情報

駐日スイス大使館

住所: 〒106-0047 東京都港区南麻布5丁目9-12

公式|駐日スイス大使館

在スイス日本国大使館

住所: Engestrasse 53, 3012 Bern, Switzerland

公式|在スイス日本国大使館

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