2026年6月中旬、JAL(日本航空)とANA(全日本空輸)から7月・8月発券分の燃油サーチャージ改定が発表されました。原油高に加え、1ドル=160円台後半という歴史的な円安が重なったことで、今回の改定は過去最高水準の大幅な値上げとなっています。欧米路線では往復のサーチャージだけで13万円を超えるなど、企業の海外出張コストへの影響は深刻です。
「燃油サーチャージは7月以降、具体的にいくらになるのか?」「2026年後半の見通しはどうなる?」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
本記事では、2026年7月・8月発券分の最新料金一覧をはじめ、原油・為替市況から予測する2026年後半の見通しを詳しく解説します。さらに、出張管理者や出張者が今すぐ実践できる具体的な経費削減策や、コスト変動に強い出張管理システム(BTM)の活用法までご紹介。企業の出張戦略を最適化するための参考にしてください。
もくじ
2026年6月中旬、JAL(日本航空)とANA(全日本空輸)から2026年7月1日〜8月31日発券分の燃油サーチャージ(燃油特別付加運賃)改定が発表されました。
今回の改定では、緊迫する中東情勢による航空燃料(シンガポール・ケロシン)の高騰に加え、1ドル=160円台後半を推移する歴史的な円安が重なり、過去最高水準への値上げとなっています。日本政府による「緊急的激変緩和措置(燃料補助金)」が適用されて本来の算出基準(ゾーンWなど)よりは引き下げられているものの、出張者・出張管理者にとっては非常に厳しい夏を迎えそうです。
主要路線における、JAL・ANAの片道あたりの燃油サーチャージ額(日本発着・1旅客1区間あたり)を一覧でご紹介します。
| 区間 | 旅行開始国が日本の場合 |
| 日本-ソウル/釜山/極東ロシア、沖縄-台北/高雄 | 7,400円 |
| 日本-東アジア(除く日本-ソウル/釜山/ウランバートル、沖縄-台北/高雄) | 16,900円 |
| 日本-グアム/パラオ/フィリピン/ベトナム/ウランバートル/ロシア*1 | 22,500円 |
| 日本-タイ/マレーシア/シンガポール/ブルネイ/ロシア*2 | 35,000円 |
| 日本-ハワイ/インドネシア/インド/スリランカ | 40,400円 |
| 日本-北米/欧州*3/中東/オセアニア | 65,000円 |
JAL:国際線「燃油特別付加運賃」「航空保険特別料金」のご案内
| 路線 | 日本円 |
| 日本=欧州・北米(ハワイ除く)*1・中東・オセアニア | 65,000 |
| 日本=ハワイ・インド・インドネシア | 40,400 |
| 日本=タイ・シンガポール・マレーシア・ミャンマー・カンボジア | 33,500 |
| 日本=ベトナム・グアム・フィリピン・パラオ・モンゴル | 22,500 |
| 日本=東アジア(韓国を除く) | 15,400 |
| 日本=韓国・ロシア(ウラジオストク) | 7,400 |
今回の7月改定で最も大きなインパクトを受けるのが、欧州や北米(アメリカ・カナダ)などの長距離路線です。 片道で65,000円、往復にするだけで「燃油サーチャージだけで13万円」が航空券代に上乗せされます。これは純粋な運賃(基本料金)を含まない追加費用であるため、海外出張の予算管理や承認フローの基準を一時的に見直す必要があるでしょう。
一方で、韓国(往復14,800円)や台湾・香港(往復30,800円)といった近距離のアジア圏は値上げ幅が数百円〜千円程度に留まっています。2026年夏の海外出張は、渡航先によってコストの二極化がさらに進む形となりました。
2026年7月・8月発券分の燃油サーチャージは大幅な値上げとなりましたが、ビジネスパーソンや出張管理者にとって最も気になるのは「2026年後半(9月以降)はどうなるのか」という点です。
結論から言うと、2026年内は燃油サーチャージが高止まり、もしくはさらなる高騰を見せる可能性が高く、劇的な値下がりは期待しにくい状況が続いています。その根拠となる「原油価格」と「為替(円安)」の2つの要因から、今後の見通しを解説します。
2026年前半に発生した中東情勢の緊迫化(ホルムズ海峡を巡る緊張など)により、原油価格およびジェット燃料の指標となる「シンガポールケロシン」の価格は一気に跳ね上がりました。
米国エネルギー情報局(EIA)などの予測では、世界的な石油需要の減少が価格上昇を一定数抑制するとの見方もありますが、供給面での懸念は依然として拭えません。仮に米国のシェールオイルが増産に踏み切ったとしても、実際に掘削から市場へ供給されるまでには最低でも半年程度の期間を要するため、2026年内は原油価格が下落しにくく、高止まりしやすいサイクルにあります。
燃油サーチャージは「米ドル建て」の航空燃料価格を「円換算」して算出するため、為替レートが直撃します。
2026年6月現在、ドル円相場は1ドル=160円台半ばを推移する歴史的な円安水準を維持しています。米連邦準備制度理事会(FRB)のFOMC(連邦公開市場委員会)ではタカ派的な姿勢が意識されており、日米の金利差が根本的に縮まらない限り、2026年後半も大幅な円高基調へシフトすることは考えにくい状況です。
【コストへの影響】
「原油高」と「歴史的な円安」のダブルパンチが円建ての燃料コストを二重に押し上げています。日本政府による激変緩和措置(補助金)によってある程度は緩和されているものの、ベースとなるコストが高すぎるため、2026年後半も高水準のまま推移する可能性が極めて高いと言えます。
JALやANAの燃油サーチャージは、2カ月ごとの平均燃油価格をベースに機械的に算出され、以下のスケジュールで改定・発表されます。
| 適用期間(発券日ベース) | 算出の基準となる期間 | 正式発表のタイミング |
| 7月1日〜8月31日 (今回発表分) | 4月〜5月の平均価格 | 6月中旬 |
| 9月1日〜10月31日(次回発表分) | 6月〜7月の平均価格 | 8月中旬 |
| 11月1日〜12月31日 | 8月〜9月の平均価格 | 10月中旬 |
次回、2026年9月・10月発券分の金額を左右するのは、今(6月〜7月)の市況です。
足元の原油高・1ドル160円台の円安傾向がこのまま7月末まで続いた場合、9月以降も現在の「過去最高水準」が維持されるか、あるいはさらなる負担増となるリスクもあります。
秋以降の海外出張や大型プロジェクトが既に確定している場合は、8月中旬に発表される「次回改定の予告」を確認した上で、8月31日までに発券(購入)を済ませるべきか判断するのが、2026年後半の最も賢明な手配戦略となります。
「燃油サーチャージが上がるのは分かったけれど、具体的にどれくらい影響があるの?」という出張者の方に向けて、改めてその仕組みとインパクトを解説します。
燃油サーチャージとは、正式には「燃油特別付加運賃」と呼ばれます。航空会社が企業努力だけでは吸収しきれない航空燃料(ジェット燃料)の価格変動分を、一時的にお客様(旅客)に負担してもらう追加料金のことです。
航空券の請求書を見ると、主に以下の3つの項目で構成されていることがわかります。
つまり、私たちが支払う航空券の「総額」には、この燃油サーチャージが必ず上乗せされているのです。
燃油サーチャージは飛行距離が長いほど高額になります。実際のところ、燃油サーチャージが航空券総額に与えるインパクトはどの程度なのでしょうか。
2026年4月現在の目安額(JAL/ANA等)をベースに、往復の出張を想定した東京ーニューヨークと東京ーシンガポールの具体例を見てみましょう。
往復の燃油サーチャージ:約58,000円〜64,000円(片道29,000円〜32,000円程度)
インパクト: エコノミークラスの安い時期であれば、航空券本体の価格が10万円〜15万円程度になることもあります。その場合、総額の約3割〜4割を燃油サーチャージが占める計算になり、出張予算を大きく圧迫する要因となります。
往復の燃油サーチャージ:約31,000円〜33,000円(片道15,500円〜16,500円程度)
インパクト: シンガポールなどのアジア主要都市でも、往復で3万円以上の追加コストが発生します。出張者が多い企業の場合、積もり積もって年間数百万〜数千万円の予期せぬ経費増に繋がる恐れがあります。これらが6月以降に1.5倍〜2倍になったと想像すると、そのインパクトの深刻さがお分かりいただけるかと思います。
燃油サーチャージの金額は一律ではなく、航空会社によって異なります。日系航空会社(JAL・ANA)は同じ基準を採用しているためほぼ同額ですが、外資系航空会社を選ぶと数千円〜数万円単位で安くなるケースもあります。
また、一部のLCC(格安航空会社)や、特定の中東系・アジア系航空会社の中には「燃油サーチャージを徴収しない(チケット代に込みとする)」方針をとっている企業も存在します。 出張コストを抑えるためには、普段使っている航空会社に固執せず、他社の運賃やサーチャージを含めた「総額」で比較検討することが不可欠です。

燃油サーチャージの大幅な高騰は、企業の出張経費予算をいとも簡単に狂わせます。特に2026年6月以降の改定予測のような急激な変動期には、出張者個人の努力だけでなく、会社全体でのルール作りと管理体制の強化が不可欠です。
ここでは、出張管理者が今すぐ取り組むべき3つの経費削減・管理対策を解説します。
まず着手すべきは、自社の「トラベルポリシー(出張規定)」の再確認とアップデートです。燃油サーチャージが高騰している時期は、以下のポイントが規定に盛り込まれ、全社で遵守されているかを見直しましょう。
航空運賃の安さだけでなく、燃油サーチャージや諸税を含めた「総額」で、複数の航空会社(外資系やLCCを含む)を比較検討するルールを設けます。
出張者が個人のマイルを優先し、あえて高額な特定航空会社(特定のアライアンス)を選ぶことを防ぐ規定を明確にします。
直前手配や、やむを得ず高額な航空会社を利用する場合の承認フローを一段階引き上げるなど、特例の発生を抑制します。
規定は形骸化しては意味がありません。社内報や経費精算時のアラートなどを活用し、規定の目的とあわせて継続的に啓蒙することが重要です。
前述の通り、燃油サーチャージは搭乗日ではなく「発券日」ベースで決まります。また、航空券本体の価格も出発日に近づくほど高額になるのが一般的です。そのため、「早期予約の推進は、最も即効性のあるコスト削減策となります。
「海外出張の航空券は、原則として出発の14日前(または21日前)までに手配・発券を完了させる」といった具体的な期限を設け、社内浸透を図ります。
出張者が早く申請しても、上長の承認待ちで月をまたいでしまい、結果的に値上げ後の燃油サーチャージが適用されてしまうケースは少なくありません。承認ルートの短縮化や、申請から〇日経過で自動的に承認を促す仕組みを作るなど、「社内手続きのボトルネックによる発券遅れ」をなくすことが急務です。
出張コストを根本から削減するには、物理的な移動を伴わない手段を検討することも重要です。もちろん、ビジネスの成長において対面での商談や現地視察が必要な場面は多々ありますが、管理部門として「出張のROI(投資対効果)」を社内に再評価させる仕組みを作りましょう。
「社内ミーティングや既存顧客への定例報告はオンライン会議を原則とする」「新規の大型案件クロージングや、実機確認が必要な視察は出張を許可する」など、業務内容に応じたガイドラインを策定します。
出張申請(稟議)の際に、「なぜオンラインではなく現地へ赴く必要があるのか」「その出張によって見込まれる利益(成果)は何か」を具体的に記載する項目を追加し、出張者自身に費用対効果を意識させます。
燃油高騰によるコスト増の危機を逆手に取り、社内の惰性的な出張を見直すきっかけとすることが、外部環境の変化に強い組織づくりに繋がります。
燃油サーチャージの高騰により、出張者に対する経費削減のプレッシャーも強まっています。会社の規定(トラベルポリシー)を守ることは大前提ですが、ご自身で航空券を手配する際、少しの工夫で総額をグッと抑えることが可能です。
ここでは、出張者がフライトを検索・手配する際に実践できる2つのポイントをご紹介します。
航空券の価格は需要と供給で決まるため、出発・帰国の「曜日」や「時期」を少しずらすだけで、数万円単位のコスト削減に繋がることがあります。商談や展示会の日程にある程度の融通が利く場合は、日程調整の段階から工夫してみましょう。
安い曜日を狙う: 一般的に、ビジネス客や週末の旅行客が集中する「月曜・金曜・週末」は航空券が高くなりやすい傾向にあります。逆に、「火曜・水曜・木曜」などの中だるみの平日は、需要が落ち着き価格が下がる傾向にあります。1日出発を早める、あるいは遅らせるだけで、運賃クラスが下がり総額が安くなるか確認してみましょう。
現地の祝日・大型連休を避ける: 日本のゴールデンウィークや年末年始だけでなく、渡航先の祝日やイベント時期(中華圏の春節、欧米のクリスマスやサンクスギビングなど)も航空券が高騰します。フライト検索サイトの「カレンダー表示(月間最安値)」などの機能を使い、前後の日程の価格を比較しながらスケジュールを組むのが賢い方法です。
直行便のフルサービスキャリア(JALやANAなどの従来型航空会社)は、利便性が高い一方で、運賃・燃油サーチャージともに最も高額になりがちです。コストを抑えるためには、選択肢の幅を広げることが重要になります。
LCC(格安航空会社)の検討: 近年は中長距離路線を飛ぶLCCも増えています。最大のメリットは、燃油サーチャージを徴収しない(あるいは運賃に含めて安く設定している)航空会社が多い点です。手荷物料金や座席指定料などのオプション追加費用を含めても、フルサービスキャリアより総額を大幅に抑えられるケースがあります。
経由便(乗り継ぎ便)の活用: 直行便にこだわらず、第三国を経由するフライトを選ぶだけで、航空券の総額が数万円〜半額近く安くなることも珍しくありません。例えば、北米出張なら韓国や台湾経由、ヨーロッパ出張なら中東経由などを比較してみましょう。外資系航空会社を利用することで、燃油サーチャージの基準額自体が下がるメリットもあります。
選択にあたっての注意点:乗り継ぎ時間が長すぎたり、LCCの深夜・早朝便を利用したりすると、出張者の疲労や業務のパフォーマンス低下に繋がります。「移動時間」と「削減できるコスト」のバランスを見極め、無理のない範囲で活用することが大切です。
出張者自身がこうした「価格変動のクセ」を知り、検索時に少し視野を広げるだけでも、燃油高騰によるコスト増をある程度カバーすることが可能です。とはいえ、毎回複数の航空会社や日程を比較するのは手間がかかりますので、後述するシステムの活用も合わせて検討してみてください。
これまで、管理者と出張者それぞれの視点から燃油サーチャージ高騰への対策をご紹介してきました。しかし、日々の業務と並行して「常に最安値を探す」「規定違反がないかチェックする」「発券期限を管理する」といった作業を人力で行うのには限界があります。
そこで、燃油サーチャージや為替などの外部環境の変化に左右されない、強固な管理体制を作るために有効なのが**「出張管理システム(BTM:Business Travel Management)」**の導入です。
出張管理システムを導入する最大のメリットの一つが、トラベルポリシー(出張規定)のシステム制御です。管理者が事前に「利用可能な座席クラス」や「路線ごとの上限金額」を設定しておくことで、出張手配のガバナンスを自動化できます。
出張者が規定外の高額な航空券(高額な燃油サーチャージが上乗せされた便など)を選択した際、システム上で予約を制限したり、警告(アラート)を出したりすることが可能です。
どうしても規定外の予約が必要な場合(緊急手配など)は、理由の入力を必須化し、上長の承認フローへとシームレスに連携させます。
マイル獲得を目的として、あえて高額な特定航空会社を選ぶような「見えにくいコストの無駄」をシステムが未然に防ぎます。
これにより、管理者が一件ずつ見積もりを目視でチェックする手間が省け、社内のルールが確実に遵守されるようになります。
出張者にとって、複数の航空会社や予約サイトを巡回して「燃油サーチャージを含めた総額の最安値」を探す作業は、大きな負担となります。出張管理システムを利用すれば、出張者自身の手配業務も大幅に効率化されます。
運賃本体だけでなく、燃油サーチャージや諸税を含んだリアルタイムの「総額表示」で、フルサービスキャリアからLCCまで幅広い選択肢を一括検索できます。
「少しでも安いチケットを探さなければ」というプレッシャーや無駄な検索時間から出張者を解放し、商談準備などの本来の業務に集中できる環境を提供します。
燃油サーチャージが「いつ・いくら上がるのか」という予測が立てづらい状況下においては、過去の実績データに基づいた精緻な予算管理が求められます。出張管理システムには、「誰が・いつ・どこへ・いくらで出張したか」というデータがすべて自動で蓄積されます。
「東京ーニューヨーク路線で月に〇件の出張があるため、6月の値上げ以降は〇〇円の追加コストが発生する」といった具体的なインパクトを、過去のデータから即座に算出できます。
蓄積されたレポート機能を活用し、「オンライン会議に代替できる出張はなかったか」「特定の部署で予算超過が起きていないか」を分析することで、次の一手を打つための客観的な根拠を得られます。
出張管理システムは、単なる「便利な予約ツール」ではなく、不確実な外部環境から企業の利益を守るための「戦略的なコスト管理ツール」として機能します。
各国の入国・ビザ情報や宿泊価格が気になる方はこちらをご覧ください
2026年6月以降に予測される燃油サーチャージの大幅な高騰は、企業の出張経費に重くのしかかります。原油価格や為替相場といった外部環境は自社の努力でコントロールできるものではありません。だからこそ、「社内の管理体制」をいかに強固なものにしておくかが、企業の利益を守るための生命線となります。
出張管理者がトラベルポリシーを適切に整備し、出張者一人ひとりがコスト意識を持って予約の工夫(早期手配や日程調整など)を行うことは非常に重要です。しかし、それらのルールを徹底し、継続的に手配業務を最適化していくためには、手作業での管理にはどうしても限界があります。
燃油サーチャージの変動に一喜一憂するのではなく、常に「最安値」を自動で提示し、「規定違反」を未然に防ぐ。そしてデータに基づいた「予実管理」を可能にする。そんな外部環境の変化に強い組織づくりには、「出張管理システム(BTM)」の活用が最も確実で効果的な近道です。
「燃油高騰の影響で出張費の予算オーバーが心配…」 「出張者が高い航空券ばかり予約してしまい、注意するのが負担…」 「手配にかかる時間とコストをもっと削減したい!」
このようなお悩みを抱える出張管理者様へ。 当社の出張管理システムは、国内外の航空券の最安値一括検索から、出張規定の自動チェック、経費データの一元管理までをワンストップで実現します。
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